BAUS 映画から船出した映画館
2025年
監督:甫木元空
ある町のデイケア「異人坂クリニック」に通うお年寄りの間で、漆原院長が考案した“画期的な”治療が密かに広まっている。究極のコスパの良い介護を目指すその医療行為は、<廃用身」>(麻痺などにより、回復見込みがない手足のこと)をめぐる、従来の常識を覆すものだという。その結果、「身体も心も軽くなった」、「厳しい性格が柔らかくなった」などと予想外の“好ましい副作用”が現れたという。噂を聞きつけた編集者・矢倉は、老齢期医療に革命を起こす可能性を感じ取り、漆原に本の出版を持ちかける。しかしやがて、デイケアに関するとある内部告発が週刊誌に流出。さらに、患者宅で起きた衝撃の事件をきっかけに、すべてが暗転していくーー。
映画『廃用身』は、現役医師作家・久坂部羊による同名の衝撃作を原作とする作品。久坂は、外務省医務官を経て、現在も在宅訪問医として活躍している。久坂の小説デビュー作でもある「廃用身」は、そのあまりに強烈な設定から、出版当時「映像化、絶対不可能!」と話題を呼んだ。染谷将太主演で、医療の限界を超えたいと力強く訴え、理想を追い求めるあまり、合理性と狂気の危うい狭間へと踏み込んでいく医師を演じる。監督と脚本は、『家族X』、『三つの光』でベルリンン国際映画祭をはじめとした多数の国際映画祭で評価されてきた吉田光希が担当する。