イタリア北東部ののどかな田舎を車でパトロールする警官ジジの日常は一見、平和そうだ。しかしある日、少女が列車に飛び込んで自殺してしまう。こういったことが起こったのは初めてではなく、自殺が相次ぐという説明しがたい状況に直面したジジは、現実とファンタジーの間をぬって奇妙な世界を調べ始める。
イタリア映画『警官ジジのアドベンチャー』は、マジックリアリズム的な表現で不可思議な世界を表出させる稀有な存在である、アレッサンドロ・コモディン監督の3作目。ロカルノ国際映画祭で次席の審査員特別賞を受賞した作品だ。