ハンガリーの荒涼とした田舎町。天文学が趣味のヤーノシュは老音楽家エステルの身の回りを世話している。エステルはヴェルクマイスター音律を批判しているようだ。彼らの日常に、不穏な“石”が投げ込まれる。広場に忽然と現れた見世物の“クジラ”と、“プリンス”と名乗る扇動者の声。その声に煽られるように広場に群がる住人達。彼らの不満は沸点に達し、破壊とヴァイオレンスへと向かい始める。
映画『ヴェルクマイスター・ハーモニー』は、ハンガリーの鬼才、タル・ベーラの監督作品。町に突如現れた見世物の“クジラ”や、“プリンス”と名乗る扇動者をめぐり、人々が破壊とヴァイオレンスに包まれる様子を描いた。