特別展「東山魁夷と四季の日本画」が、東京・山種美術館にて、2020年11月21日(土)から2021年1月24日(日)まで開催される。

四季に移ろう風景

東山魁夷は、日本や世界各地の風景を詩情あふれる表現で描き、昭和の国民的画家とも称された。特別展「東山魁夷と四季の日本画」では、「四季」と「風景」をテーマに、魁夷の作品とともに近代・現代日本画家の作品約40点を紹介する。

1908年に生まれた東山魁夷は、東京美術学校で日本画を学んだのちにドイツに留学。戦後は風景画家として名を馳せ、静謐にして叙情性豊かな作風を確立した。本展では、戦後、魁夷が新たな風景画を探求した北欧滞在を経て、日本の伝統美へとたち戻る時期に描かれた代表作の数々を展示する。

横幅9mにおよぶ《満ち来る潮》

なかでも、横幅9mにおよぶ《満ち来る潮》は、激しく波打つ日本の海のイメージと、色鮮やかな日本絵画の装飾性が凝縮されており、魁夷の日本美への回帰を象徴する作品だといえる。

連作「京洛四季」約4年ぶりに一挙公開

また、《満ち来る潮》と同時期に制作された連作「京洛四季」も、約4年ぶりに一挙公開。《春静》《緑潤う》《秋彩》《年暮る》の4点からなるこの連作は、作家・川端康成の言葉をきっかけに着手された作品群であり、移ろいゆく京都の四季が情緒豊かに描きだされている。

近代・現代日本画家による四季の表現

さらに本展では、日本の四季をひと揃えに描く伝統的な主題表現や、四季折々の風景表現にも着目。魁夷の師である結城素明の《春山晴靄・夏渓欲雨・秋嶺帰雲・冬海雪霽》や、東京美術学校の同窓生である加藤栄三の《流離の灯》など、近代・現代の画家の作品を展示し、移ろいゆく季節への繊細な感覚を紹介する。

展覧会概要

特別展「東山魁夷と四季の日本画」
会期：2020年11月21日(土)〜2021年1月24日(日)
会場：山種美術館
住所：東京都渋谷区広尾3-12-36
開館時間：11:00〜16:00(入館は15:30まで)
休館日：月曜日(11月23(月)、1月4日(月)・11(月)は開館)、11月24日(火)、1月12日(火)、年末年始(12月28日(月)〜1月2日(土))
入館料：一般 1,300円、大学生・高校生 1,000円、中学生以下 無料(付添者の同伴が必要)
※障がい者手帳、被爆者健康手帳の提示者、およびその介助者(1名)は一般1,100円、左記いずれかのうち大学生・高校生は900円
※きもの特典：きもので来館した場合、一般 200円引き、大学生・高校生 100円引き
※入館日時のオンライン予約が可能(詳細は美術館ウェブサイトを参照)
※出品作品および展示期間は都合により変更となる場合あり

【問い合わせ先】
TEL：050-5541-8600(ハローダイヤル 電話受付時間：8:00〜22:00)