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関西の抽象美術を率いた「具体」の本質に迫る、東京初の大回顧展を国立新美術館で開催中

吉原治良《黒地に赤い円》
吉原治良《黒地に赤い円》1965年 アクリル・布 181.5×227.0 cm 兵庫県立美術館蔵

1954年、関西の抽象美術の先駆者・吉原治良をリーダーに、阪神地域在住の若い美術家たちで結成された前衛美術グループ「具体」(具体美術協会、1972年解散)の展覧会が、東京・六本木の国立新美術館で開催されている。約150点の作品から、「具体」の18年間の活動の全体像から本質に迫る本展では、海外に流出した作品の約半世紀ぶりの里帰りも実現。また、近年発見された1955(昭和30)年の記念すべき第1回具体美術展を収めた幻の映像も公開される。

「具体」という名に込められたのは、「われわれの精神が自由であるという証を具体的に提示したい」という思い。彼らは、「これまでになかったものを作れ」という吉原の厳しい指示と、公園や舞台、空中を使う展覧会など吉原が繰り出す企画に刺激され、奇想天外な発想でユニークな作品を次々と生み出した。当時の日本は高度経済成長期。敗戦から奇跡的な復興を遂げた日本を象徴するかのようなチャレンジ精神、創造的なエネルギーがその作品たちにはあふれている。

しかし、「具体」は当時、日本国内ではほとんど注目されなかった。一方で海外では高い評価を受け、欧米の美術界では"GUTAI"の名で広く知られており、回顧展が何度も企画されてきた。日本では、1980年代になってようやく再評価が進み、関西を中心に回顧展が開かれてきたものの、東京では1990年に渋谷区立松濤美術館で「具体」の一時期の活動に焦点を当てた展覧会が開催されたのみ。今回のような大規模な回顧展は東京初となる。

松谷武判《WORK '65》1965年 ビニール・布 182.2×142.6cm 兵庫県立美術館蔵
松谷武判《WORK '65》1965年
ビニール・布 182.2×142.6cm
兵庫県立美術館蔵

関連イベントでは、元「具体」会員であり、名前のイニシャルから“3M”と称された前川強、松谷武判、向井修二が、8月4日(土)の座談会で「具体」当時のエピソードやそれぞれの「具体」観を語る。

【展覧会情報】
会期:2012年7月4日(水)~9月10日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00~18:00(金曜は10:00~20:00) ※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
観覧料:
当日券 一般 1000円、大学生 500円
団体券(20名以上) 一般 800円、大学生300円
※高校生、18歳未満の方および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は無料
問い合わせ先TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)

■座談会
「"3M"から見た『具体』」
日時:8月4日(土)14:00~15:30(開場13:30)
出演:前川強、松谷武判、向井修二(いずれも元「具体」会員)
会場:国立新美術館3階講堂
定員:260名(先着順)
※聴講無料、本展観覧券(半券可)の提示が必要

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