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映画『きみと、波にのれたら』湯浅政明監督にインタビュー“きっと、誰もが誰かにとってのヒーロー”

湯浅政明監督最新作、映画『きみと、波にのれたら』が、2019年6月21日(金)より全国ロードショー。

アニメ『四畳半神話大系』にはじまり、2017年には『夜は短し歩けよ乙女』で日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞を受賞、『夜明け告げるルーのうた』でアヌシー国際アニメーション映画祭でクリスタル賞(グランプリ)を受賞した湯浅政明。『きみと、波にのれたら』は、2017年に怒涛の勢いでその名をとどろかせた湯浅政明による長編オリジナル最新作だ。2019年、上海国際映画祭でアニメーション最優秀作品賞を受賞した。

女子大生と消防士のラブストーリー

湯浅政明 インタビュー|写真1

『きみと、波にのれたら』の主人公は向水ひな子。サーフィンが大好きでその腕前もかなりのもの。明るくあっけらかんとした性格だが、自分の未来については自信を持てずにいる。そんな彼女が、大学入学を機に海辺の街に引っ越した街で、消防士の港に出会い、恋に落ちることから物語は始まる。

湯浅政明 インタビュー|写真2

めでたく結ばれた2人だったが、ある日港は海の事故で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子が、ある日ふと二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中から港が現れる。「ひな子のこと、ずっと助けるって約束したろ?」再び会えたことを喜ぶひな子だが…。2人はずっと一緒にいることができるのだろうか?港が再び姿を見せた本当の目的とは?

どこか共感できる純粋な主人公の気持ちを、そして2人の淡い恋を、湯浅政明作品ならではの鮮やかなアニメーションにのせていく。

脚本は『聲の形』『若おかみは小学生!』の吉田玲子

湯浅政明 インタビュー|写真10

スタッフ陣は、湯浅政明監督作品での活躍が記憶に新しい豪華な面々が揃う。脚本は、『夜明け告げるルーのうた』をはじめ、『聲の形』『若おかみは小学生!』の吉田玲子が担当。音楽は、『夜は短し歩けよ乙女』や『リトルウィッチアカデミア』の大島ミチルが手掛ける。

湯浅政明監督にインタビュー

湯浅政明 インタビュー|写真34

映画『きみと、波にのれたら』を手掛けた湯浅政明監督にインタビューを実施。ラブストーリーとなる本作の物語が生まれるまでの制作の裏側や、監督業について話しを伺った。

“異形のものと人間のラブストーリー”が生まれるまで

湯浅政明 インタビュー|写真23

人魚の“ルー”と人間の交流を描いた前作『夜明け告げるルーのうた』に続くオリジナルストーリーですが、今回のラブストーリーはどのようにして生まれたのでしょう?

『夜明け告げるルーのうた』の流れで、「前作と何か繋がりながらより発展させたい」と思っていました。“異形のものと人間のラブストーリー”というお題をいただいてから、前作でもキーワードとなった水・火・歌という要素を引き継ぎながら考えていった結果、今回の作品のような物語が誕生しました。

キャラクター設定についても詳しく教えてください。

“未知のものに挑戦してみたい”という興味が常にあるので、今回のヒロインはサーファーにしようと思ったんです。何故って、僕にとって最も縁がなくて遠い存在だと感じるのは、サーファーでしたからね(笑)

それから今まで描いてこなかった消防士も、ヒロイン・ひな子の彼氏・港として登場させました。彼は後に事故で亡くなってしまい、ひな子が二人の想いでの曲を歌うと、水の中に再び現れるという設定にしました。

本当に描きたかったラブストーリー

湯浅政明 インタビュー|写真32

そもそもラブストーリーというジャンルは、以前から興味があったのでしょうか?

実はもともと、このジャンルはすごく苦手な類でした。自分の“映画ウォッチリスト”には、恋愛作品がほとんどなかったと思います(笑)

けれど不思議なもので、いざ制作の立場に回って時間が経つと、ラブストーリーを描いてみたい!と自然に興味を持つようになりました。ラブシーンは描いた事がなかったし、年をとると恥ずかしさもなくなってきたので、実写の映画にあるような、キスシーンなんかをアニメーションで描けたらおもしろいんじゃないかと、ドラマチックな展開を作りたいと思うようになったんですよ。

だから実は、『ロミオとジュリエット』みたいなドラマチックな展開の恋愛作品を作っていた時期もあったくらいなんです。

湯浅政明 インタビュー|写真8

それは意外です。今回もそんな“ドラマチック”な展開を意識したのでしょうか?

いいえ、むしろ逆ですね。実は僕がそういった作品を作ったうえで今回意識したのは、もっと日常に溢れる“何でもない恋人たちの物語”を描いてみたいという事。くだらないことで笑いあって、楽しくて、2人にしかわからない世界。今回はヒロインが恋人を亡くすことで、そんな些細な日常の愛おしさに気付いていくんですけどね。

確かに劇中には、2人の微笑ましいシーンで溢れていました。

カラオケに行ったり、一緒にご飯を食べたり、海に行ったり。劇的なロマンチックな描写はないけれど、きっと一度は皆経験したであろう“何でもない”恋人同士の物語のほうが描いてみたいし、もしかしたら多くの人の心に繋がるのかなと。例えどんなに冷め切ってしまった夫婦でも“そうそう。俺たちも、昔はこんな時期あったよね”なんて、この映画を観て懐かしんでくれたらいいなと思いました。

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