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エス・テー・デュポンのC.E.Oクルベ氏が語る、カール・ラガーフェルドとのスペシャルコラボレーション「モン・デュポン」のストーリー

1872年の創業以来名だたる著名人達から愛用され、ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式では、フランス政府からの公式贈答品として採用された、フランスが誇るラグジュアリーブランドエス・テー・デュポン(S.T. Dupont)。

エス・テー・デュポンのC.E.Oクルベ氏が語る、カール・ラガーフェルドとのスペシャルコラボレーション「モン・デュポン」のストーリー | 写真

来年ブランド設立140周年、そしてライター制作70周年を迎えるにあたり、ファッションデザイナーのカール・ラガーフェルド氏とのコラボレーションで誕生した「モン・デュポン」コレクションが今年11月末に発売となる。10月5日には恵比寿にてお披露目パーティーが行われ、フランス本社よりC.E.OのAlain Crevet(アラン・クルベ)氏も来日され、新コレクションの誕生を祝福した。 素晴らしい伝統を誇るエス・テー・デュポンの世界を革新的なアイディアで進化させ続けるクルベ氏に、「モン・デュポン」コレクションについて語ってもらった。

カール・ラガーフェルドとのコラボレーションが生まれたきっかけ

今回のコラボレーションに至った経緯を教えて下さい。

エス・テー・デュポンのC.E.Oクルベ氏が語る、カール・ラガーフェルドとのスペシャルコラボレーション「モン・デュポン」のストーリー | 写真

カール・ラガーフェルド氏とは私がジバンシィにいた頃から親しくさせてもらっていたんです。彼は昔タバコを吸っていた時代にはデュポンのライターを愛用してたんですよ。それで、エス・テー・デュポンのライター制作70周年を記念してライターをデザインしてもらえないかとお願いしました。

デュポンは70年間変わらず同じデザインのライターを作ってきたのですが、この機会に、今までのライターとは違うちょっとフェミニンなものをデザインしてくれないかと頼んだところ、彼の方からぜひライターとペンのコレクションを作りたいと提案されたんです。ぜひやって下さいと即答しました。実はその時、カールの中では既にイマジネーションができていたようで、その後たったの2週間で彼が「もう10枚もデザインができたよ」と電話してきてくれました。

モン・デュポンコレクションのペンはユニークなシェイプですね。 このデザインは彼がいつも持っている扇子をイメージしていて、手になじむように角を落として少し丸みを持たせてあります。それに、カールのスタジオにある彼の大きな机は、デザイン画を描きやすいように少し斜めになっているのですが、普通のペンだと転がって落ちてしまうのが、この形だと転がらないんです。そんな理由で出来あがったのが、このオリジナルのシェイプです。ボールペンは、昔ジャクリーヌ・ケネディのために作ったペンのように細いのですが、手が大きいカールは太いペンが好きなので、万年筆はこの太さになりました。ケースも扇型なんですよ。エレガントでしょう。

エス・テー・デュポンのC.E.Oクルベ氏が語る、カール・ラガーフェルドとのスペシャルコラボレーション「モン・デュポン」のストーリー | 写真
カール・ラガーフェルド直筆のデザイン(ノート向かって右ページ)

このコレクションは、カール・ラガーフェルド氏本人のためのコレクションでもあるんですね。

そう、彼自身が私のためにデザインしました、ということで「Mon Dupont(モン・デュポン、私のデュポン)」という名前になりました。

Mon Dupontの美しさとパリでの人気

とても美しいコレクションですね。

カールのスタジオのテーブルの上にはマニキュアがパレットのように沢山並んでいて、彼はそれらを画家のように混ぜて色を作ったんです。その色を再現したのが、ロータスレッドと名づけられたこの色です。 実はこのペンはとても複雑な作りになっています。6層にラッカーを塗ってあるのですが、普通の筒型のペンだったら面が1つしかないので一度にできる工程を、このペンでは4つの面全てに塗りを施さないといけない。これもエス・テー・デュポンならではの技術です。

エス・テー・デュポンのC.E.Oクルベ氏が語る、カール・ラガーフェルドとのスペシャルコラボレーション「モン・デュポン」のストーリー | 写真

ライターは女性がバッグに入れて持ち歩きしやすいようにデザインされています。リップスティックのシェイプからインスパイアされたライターで、人に火を付けてあげるときにもエレガントに見えますよ。ロータスレッドだと女性らしく、黒になるととても男性的な印象です。もちろん、ライター自体の構造はデュポンの伝統的な技術を受け継いでいます。

パリのオートクチュール・ファッションウィーク中に一足先に開催されたお披露目会はどうでしたか?

モン・デュポンはカールにとってお気に入りのコレクションだったので、彼が自分のスタジオでパーティーを開いてくれたんです。世界中からジャーナリストが集まるファッションウィーク中にやりたいという提案も彼から来たんですよ。彼はスタート時間の8時に来たんですが、なんと朝の1時までパーティーを楽しんで、インタビュー中もずっとコレクションがどんなにすばらしいかを説明してくれていました。

エス・テー・デュポンのC.E.Oクルベ氏が語る、カール・ラガーフェルドとのスペシャルコラボレーション「モン・デュポン」のストーリー | 写真

本当にスペシャルなコラボレーションなんですね。

ペンもライターも、カール自身にとってとても大切なツールですから。彼はデッサンも手で描くし、元々エス・テー・デュポンを愛用していました。彼自身はもうタバコを吸わないけれど、お客に火を付けてあげるのが大好きなんです。

モン・デュポンはクリスマスプレゼントにもぴったりですね。どういう方にこのコレクションを持っていただきたいですか?

男性へのギフトはだったらブラックは使いやすいですね。レッドを選んだカールはさすがファッションアイコンらしいですね。女性だったらやっぱり赤がいいと思いますが、色は相手のスタイルに合わせてチョイスするのをおすすめします。私はいつもブラックのファッションが多いので、今日もブラックのライターを使っていますよ。

今回発表したコレクションでは、光沢のあるブラックにしたのですが、本当はカールはもっとマスキュリンな印象のマットブラックも作りたがっているんです。ディアボリック(魔性の色)と名付けられた、紫に近いボルドーカラーも彼のお気に入りなので実現したいです。モン・デュポンの次回作にも期待していてくださいね。

クルベ氏とカール・ラガーフェルドの友情から生まれた「モン・デュポン」コレクションのひとつひとつのアイテムを手にとり、ライターには実際に火をつけながら説明してくれたクルベ氏。その姿から、このコレクションは彼にとっても思い入れのある「モン・デュポン(私のデュポン)」であることが伺えた。

世界的にも人気のこのコレクションは、いよいよ11月末に日本でも発売が開始される。手元にモードとエレガンスを演出してくれるスペシャルコレクションの素晴らしさを、ぜひ店頭で確かめたい。

Photos(7枚)

カール ラガーフェルド(Karl Lagerfeld), エス・テー・デュポン(S.T. Dupont) モン・デュポン|写真1 カール ラガーフェルド(Karl Lagerfeld), エス・テー・デュポン(S.T. Dupont) モン・デュポン|写真2 カール ラガーフェルド(Karl Lagerfeld), エス・テー・デュポン(S.T. Dupont) モン・デュポン|写真3 カール ラガーフェルド(Karl Lagerfeld), エス・テー・デュポン(S.T. Dupont) モン・デュポン|写真4 カール ラガーフェルド(Karl Lagerfeld), エス・テー・デュポン(S.T. Dupont) モン・デュポン|写真5 カール ラガーフェルド(Karl Lagerfeld), エス・テー・デュポン(S.T. Dupont) モン・デュポン|写真6 カール ラガーフェルド(Karl Lagerfeld), エス・テー・デュポン(S.T. Dupont) モン・デュポン|写真7

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