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ノア ファー(Noir Fr)の2015-16年秋冬コレクションが2015年3月20日(金)に渋谷ヒカリエで開催された。今シーズンのテーマは「SHINOBI＝忍」。日本らしさを取り入れ、未来の忍者の服装を作り上げた。
ショーは初めからオールブラックで染め上げられた。細身のパンツにハイネックのニット。首のコサージュは、全シーズンの余った生地を再利用したものだ。ハイネックはコレクションを通して登場し、首を覆ったスタイルが忍者を彷彿とさせる。また、軽い素材感のコートや、ジップアップシャツ、スウェットのジャケットなどは、無駄な装飾やディテールを排したデザイン。最小限の機能性だけを取り入れた、スポーティかつスタイリッシュなアイテムばかりだ。
コレクションで特徴的に用いられたのが、メタリックな箔の転写。シルバーのラインがパンツやコートの肩などにあしらわれ、フューチャリスティックな雰囲気を纏わせる。また、ミリタリー調のニットやコートの肩当てに、レザーの切り替えを取り付けたアイテムも見られ、同じ黒色でも素材感の違いでメリハリをつけている。
さらに和の雰囲気を出す、着物のようなコートやケープも登場。忍びらしくまとめられたモードな仕上がりは、現代的にパンツやニットと合わせて、アクティブなスタイルを完成させる。
クラウド・ファウンディングを募ってまでショーを開催した理由は、コレクションに魅せられて洋服作りを始めたデザイナーが、次は誰かに夢を与えられるようなショーを見せたいという想いからのものだそうだ。その熱意は、「忍」の服を通して静かに観客へと伝わっていた。
