ビューティフルピープル 2015-16年秋冬コレクション - 服作りを純粋に楽しむ心

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2015年3月17日(火)、ビューティフルピープル(beautiful people)の2015-16年秋冬コレクションが、東京・渋谷ヒカリエで発表された。これまで生バンドの演奏や、テニスコートでの演出など表現する場所にこだわりを持っていた、デザイナーの熊切秀典。純粋に服を見て欲しいという思いから、今季は公式会場を選んだという。

そんな熊切の頭に浮かんだのは「Virgin」という1つの言葉だった。そこからイメージを膨らませ、たどり着いたのは、天然素材を使用すること、そして自分の好きなものを創ることの2つ。“It's so simple.”というフレーズがリフレインするBGMに共鳴するように、目にすっと溶け込んでくるようなデザインに、前述した要素を組み込んでいく。

まず天然素材へのこだわりは、あざらしの皮を使用したブーツから見て取れる。さらに、キャメルにはラクダ、アンゴラにはうさぎ、また多用されたカシミヤやウールには架空の動物など、それぞれの素材に合ったアニマルモチーフのブローチがワードローブを彩る。素材説明の役割をも果たすこの小物は、何気ないものも誇張することでデザイン性が生まれるという、ユーモアが込められたものだ。

“長くて落ちるシルエット”という言葉通り、ゆったりとしたフォルムが続く。ボタンを配した膝下丈スカート、オーバーサイズのチェスターコート、センタープレス加工のワイドパンツなど。中でも、ほどくと1枚になるトイレットペーパーの芯から着想を得た、アシンメトリースカートに注目したい。たっぷりと生地を使用した、フリルや切り替えがバックスタイルに配されていた。

これまでメンズも交えて、コレクションを披露していたブランド。今季は、エレガンスに焦点を当て、レディースのみでショーが構成された。「自分が好きなものを創らなきゃと思った。」とコレクションスタート時にの思いを語る熊切。ふと見せた笑顔からは、テーマの「エクストラバージン」そのまま、子供のような純粋な気持ちで服作りへ取り組んでいるのが伝わってきた。